「色々な興行要因があるだろうが、漫画であれアニメーションであれスラムダンクが輝く理由は『失敗の価値』を語るためだ。人間は失敗する。何度か転ばないと立てない存在だ。だからこそ、失敗そのものより失敗に対する私たちの姿勢がもっと重要だ。個人はもちろん社会もそうだ。失敗を私たちにとって『必要な経験』にするために、韓国社会がどれだけ努力しているかを振り返ってみると、(恥ずかしくて)顔を上げられない」
「大邱地下鉄惨事がいつのまにか20周忌(2月18日)を迎えた。災害安全対応の失敗で192人が死亡した人災にあれほど憤ったが、私たちは(梨泰院惨事で)また大切な159人を失った。まったく同じ失敗を繰り返した。いや、もしかしたらもっと後退した」
「スラムダンク」大ヒットの陰で、お得意だった「反日映画」は不振
『朝鮮日報』は、スラムダンクの成功と反日映画の失敗に触れ、「最近の若い観客たちは過去に縛られていない」と指摘した(「『何が何でも反日』にNO…韓国で興行不振続く抗日映画」2月19日付インターネット版記事)。
同紙は、「商業映画がよく使っていた従来の抗日テーマは、今後の市場をリードする20~30代の観客たちには訴える力があまりない」「最近の観客は特定の国の商品やサービスを無条件に排除することなく、効用や価値に応じて消費している」「『クッポン(過剰な愛国主義)』も『新派(メロドラマ)』も洗練された美しさや面白さの裏付けがなく、以前のように無条件に民族主義を強調するスタイルでは限界が見えている」などの専門家の分析を引用し、既存の慣性に嵌って新しい風向きを読めない韓国の映画製作者の問題点を指摘した。
そしてこう付け加えた。
「『オールド』だと考えられてきた素材が『ニュートロ(Newtro=new+retro)』という新たな解釈で受け入れられたり、その時代を一度も経験できなかった世代にとっては全く新しいものとして受け止められたりしている」