侍ジャパンを率いる栗山英樹監督は「確認が必要」と慎重な姿勢を示しつつ未だ明言こそしていないが、次のWBCで大谷が二刀流起用されることは確定的だ。すでに所属するエンゼルス側からもペリー・ミナシアンGMがWBCに参加する大谷について「彼がやりたいことは全てやって構わない」と明言し、二刀流起用にゴーサインが出されている。
そうなれば日の丸を背負い続ける重圧下の短期決戦で投打フル回転を強いられる大谷には、普通に考えて通常の選手の倍の働きが求められてくる。つまりは想像を絶するような精神・肉体両面の疲労蓄積が予想される。大谷が次のWBCで足を踏み入れるのは、これまで誰も経験したことのない未知の領域だ。大谷だからと言って、あのイチロー氏や松坂氏ですら苦しめられたWBCの“後遺症”を回避できるという保証など当然ながらどこにもない。
過酷日程
既に米国へUターンしている大谷は侍ジャパンに参加する他の日本人メジャーリーガー同様、米国で行われる所属チームのスプリングトレーニングに一時参加した後、WBCの開催前スケジュールが同大会主催者「WBCI」の管轄下に入る3月6日の侍ジャパン強化試合・阪神タイガース戦(京セラドーム)の直前に再帰国し、日本代表チームに合流する線が濃厚とみられている。
当初は2月17日から日本の宮崎市内でスタートする侍ジャパンの強化合宿にMLB組もNPB組とともに参加する方向性だったが、負傷など万が一に備えるための保険の問題が解決できていない。またスプリングトレーニング中に行われる所属チームでの報道用フォトデーへの参加も絶対条件となっている。そうした現状を鑑みる限り、残念ながら侍ジャパンの強化合宿参加は見送られそう。
だが、そうなると侍ジャパンのMLB組は相当ハードなスケジュールを覚悟しなければいけない。