過去に大谷は侍ジャパンのトップチームに加わって国際大会には1度だけ、北海道日本ハムファイターズ在籍時代の2015年に行われた「第1回プレミア12」に参加している。しかし同大会はNPBの全日程終了後の11月開催でシーズンへの影響が及ぶわけもなく、何より参加した大谷自身も投手一本に専念していた。

 NPB以上にハードな日程を強いられるMLBへ移籍後、シーズン開幕直前となる3月開催のWBCに投打二刀流として初参加することが、大谷にとって一体何をもたらすのか。いくら「超人」の大谷であっても全くの未知数なだけに、どちらかと言えばプラスよりもマイナスに転んでしまいそうな不安が付きまとう。

偉大な選手たちも苦しんだ「WBC後遺症」

 実際に2009年開催の第2回WBCで今大会と同じく「史上最強」と称されていた当時の侍ジャパンに招聘されてMLBから参加し、日本の2大会連続となる世界一連覇に大きく貢献したイチロー氏と松坂大輔氏のメジャーリーガー2人が“後遺症”にさいなまれた前例がある。

 第2回WBC終了後のイチロー氏は侍ジャパンのリーダー格として同大会期間中に知らず知らずのうちに蓄積していた極度の重圧と疲労から胃潰瘍を患い、シアトル・マリナーズで迎えた同年シーズン開幕後の4月3日に自身初の故障者リスト入り。

 侍ジャパンのエースだった松坂氏も同大会では最多勝と最優秀選手に輝きながら股関節を痛めてしまい、その影響でボストン・レッドソックスでのMLB3年目シーズンは2度にわたる長期離脱を繰り返した末に僅か4勝9敗に終わるなど、そこまでのプロ入り後の成績としては自己ワーストに沈んでしまっている。

2009年3月、WBCで優勝を決め、ハイタッチするイチローと松坂大輔。後ろは福留孝介(写真:ロイター/アフロ)