W杯優勝を決め、愛娘から祝福を受けるアルゼンチン代表のGKエミリアーノ・マルティネス(写真:ロイター/アフロ)

 バッシングは一向に沈静化する気配がない。サッカー・カタールFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会2022を制し、本来ならばヒーローとなっているはずのアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスが猛烈な批判を向けられている。

 フランスとの決勝ではPK戦でビッグセーブを繰り返し、母国を36年ぶり3度目となる優勝へ導く立役者となった。大会終了後のセレモニーでは最優秀GKとして「ゴールデングローブ賞」も受賞した。

エムバペを侮辱してフランス人の怒りを買ったアルゼンチン代表GK

 ところが表彰式で受け取った黄金トロフィーを股間に突き立てスタンドに誇示し、おどけてみせる悪態をついたことで風向きが一変した。それまで歓声と拍手が入り乱れながら続いていた決勝戦会場のルサイルスタジアムも一瞬静まり返り、明らかに微妙な空気が漂っていた。

問題となっている、マルティネスがゴールデングローブ賞のトロフィーを股間に突き立てたシーン(写真:ロイター/アフロ)

 それだけではない。決勝戦でハットトリックをマークされたフランス代表FWキリアン・エムバペに向け、試合後のドレッシングルームで同僚たちを前に「1分間の黙とう」を呼びかけ、チャントを歌っていたことも判明。さらには約400万人の国民を沿道に集めた中で12月20日に行われた母国アルゼンチンでの凱旋優勝パレードではおむつを履いた赤ちゃん人形の顔部分にエムバペの顔写真プリントを貼り付け、それをあえて見せびらかしながら母国サポーターたちと喜び合った。

 このマルティネスの愚行にはSNSやネット上で世界中からブーイングが殺到。特に母国の英雄エムバペを侮辱されたフランス側の怒りは凄まじく、その余波は政府レベルにまで達した。