(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
ロシア軍がウクライナ都市部の集合住宅へのミサイル攻撃を強め、多数の死傷者を出したことに対して、米国では「ウクライナにもロシア領内への報復攻撃を認めるべきだ」として、新たな長距離射程のミサイルのウクライナへの供与を求める意見が表明された。
ウクライナとロシアとの戦いでの「平等」を目指すことが、ロシアの侵略拡大への抑止となり、停戦の見通しも現実的にするという考えに基づいているという。この提言は、日本でも課題となった反撃能力の是非の議論だともいえるだろう。
ウクライナにもロシア国内へのミサイル攻撃を許可すべき
ロシアのウクライナ侵略は1月14日の都市部への新たな大規模ミサイル攻撃によってエスカレートの様相を見せた。とくにウクライナ東部ドニプロペトロウシク州ドニプロでは都市部住宅地域の大型集合住宅が破壊され、子供を含む死者数十人を出した。