(杉江 弘:航空評論家、元日本航空機長)
米国のパイロットたちも猛反対
航空会社と規制当局がジェット旅客機のコクピットで乗務するパイロットを2人から1人のみとする計画を進めている。
具体的には、ドイツや英国、ニュージーランドなど40カ国あまりがパイロット1人制による安全飛行の実現に向け、ICAO(国際民間航空機関)に支援を求め、EASA(欧州航空安全機関)が1人制の運用方法決定に向けて航空機メーカーと取り組んでいるほか、監督ルールの策定準備も進めている。EASAは「2027年にはパイロット1人による運航が始まる可能性がある」と指摘している。
加えて、世界各国の航空機メーカーを代表するICCAIA(航空宇宙工業国際協議会)も、パイロット1人による飛行のロードマップを考案するようにICAOに要請したと報じられている。
パイロットの立場からすると、いずれの動きも正気の沙汰ではないもので、すでに米国のパイロットたちも猛反対している。
このパイロット1人制の計画は以前からくすぶっていたものだ。