そのデサンティス氏とアイガー氏との接点は何か。
2021年、フロリダ州がLGBTQについて児童(幼稚園児から小学校3年生まで)に教えることを州法で禁じたことにディズニーが反発。
ディズニー傘下のテレビ局はLGBTQを扱った子供向けアニメを放映しており、同社社員や関係者の中にはLGBTQもたくさんいるという。
だからフロリダ州のこの法案は、ビジネス上からも労使関係上からも到底受け入れられるものではなかった。
これに怒り狂ったフロリダ州とデサンティス氏は1955年来、ディズニー・ワールドに譲与していた「特別自治区」(Dependent Special District)特権を剥奪することを決めてしまった。発効は2023年6月だ。
(https://www.nytimes.com/2022/03/28/us/desantis-florida-dont-say-gay-bill.html)
デサンティス氏はこう啖呵を切った。
「わが州はカリフォルニアの一企業のCEOや幹部に支配されているわけではい。わが州の行政はフロリダ州民の社会通念と利益最優先で行われている」
だが同氏とて、内心忸怩たるものがある。
というのもディズニー・ワールドは、同州にとっては欠かせぬ「金の卵」。
ディズニー・ワールドには、年間世界中から2100万人の観光客が訪れ、関連企業も含めると7万人の雇用を創造している。
年間収益170億ドルを稼ぎ、年間7億8000万ドルの税金を納めてくれているからだ。
この見返りとして、同州は、ディズニー・ワールドに特別社債発行特権を与え、警察、消防、ガス・電気・水道サービスも隣接するオレンジ郡やオスセオラ郡からは独立させた「自治体」にしてきた。
ディズニー・ワールドの特権が剥奪されれば、周辺住民には巨額の納税義務が生じる。デサンティス氏としては今のところ、具体的な対処策は持ち合わせていない。