(豊 璋:韓国人コンサルタント)
最近、北朝鮮は相次ぐミサイル発射を繰り返しているが、韓国や日本の国民にとっては「またか」という程度で、大した威嚇になっていない。
そのような状況下、北朝鮮の朝鮮中央通信は11月20日、いつもの北朝鮮話法で、次のように主張した。
「破廉恥な日本反動どもは、彼らをはじめとする敵対勢力の反共和国が進める侵略戦争のための演習騒動に対処した我々の自衛的措置に因縁をつけ、列島全域を朝鮮人排斥の乱舞場にしている」
「最近、朝鮮学校や学生、総連機関を対象に敢行された憎悪犯罪の件数だけで10件余りにもなる」
「これは日本当局によって引き起こされた計画的かつ組織的な国家犯罪である」
これは、日本で騒がれているヘイトスピーチに対する北朝鮮としてのメッセージだろう。かくいう私も、「ヘイトスピーチ」の一言で主張がくくられてしまう昨今の風潮に悩まされている一人だ。
私自身は在日3世で、朝鮮学校を卒業した後、日本で事業を手がけ、10年以上前に韓国で居を構えている。朝鮮総連についても、最初は支持していたが、だいぶ前から距離を置いている。そんな自身の経験を踏まえ、朝鮮総連や韓国・北朝鮮についていろいろと発言しているが、その発言も、ヘイト記事として批判されることが多い。
今回の北朝鮮からのメッセージについても、その意味も理解せず、朝鮮学校を擁護している方も少なくない。ただ、朝鮮学校の置かれている現状を見れば、過去から続く朝鮮総連や北朝鮮との関係性が横たわっている。その部分を無視して、「差別反対」「授業料無償化」と叫んでいるのであれば、日本人には伝わらないのではないか。
以前、東京で、在日の若者が集まり、街頭で日本での生活のしづらさ、いわゆる差別を訴えていたことを思い出した。ただ、その訴えは在日に限らず、日本人の普通の若者にも共通する悩みなのではと思う。