あとで調べたところ、元は落石無線局で、現在は池田良二(だからIR)という銅版画家がアトリエとして使っているそうだ。

 この先は木道になる。湿原なので、地面をそのまま歩けないところがあるのだ。

 木道は湿原や森の中をまっすぐ通り抜けていく。木が腐食している部分があるので、足下から目を離さずに歩く必要があるが、顔にかかる木の枝やクモの巣にも注意がいる。15分ぐらい歩くと森を抜けてようやく木道が終わる。

 木道があるので道に迷うことはないが、それでも看板があると安心する。

 霧の向こうにぼんやりと見えてきたものがある。