自動車道の行き止まりでクルマを止めたとき、あたり一面に霧がたちこめていて、ほとんどなにも見えなかった。「落石岬→(徒歩25分)」。頼りになるのはこの看板だけだ。 しばらくすると、廃墟のような建物が現れた。今も使われているのだろうか? 入口の上にあるIRというマークが、さらに謎めいた雰囲気を強めている。 あとで調べたところ、元は落石無線局で、現在は池田良二(だからIR)という銅版画家がアトリエとして使っているそうだ。 この先は木道になる。湿原なので、地面をそのまま歩けないところがあるのだ。 木道は湿原や森の中をまっすぐ通り抜けていく。木が腐食している部分があるので、足下から目を離さずに歩く必要が