長崎駅前と路面電車

(瀧澤 信秋:ホテル評論家)

西九州新幹線開業で一気に利便性が高まる長崎

「西九州新幹線」が9月23日に開業した。長崎駅と博多駅を結ぶ143kmの新幹線ルートで、今回の開業は長崎駅~武雄温泉駅間を結ぶフル規格新幹線だ。

 今後、武雄温泉駅とすでに開業している九州新幹線新鳥栖駅の佐賀県ルートがつながると、長崎駅から博多駅まで新幹線で結ばれることになる。九州新幹線はすでに鹿児島中央と関西を結んでいるので、長崎から関西方面へ直通で行くことも可能になるだろう。

 筆者も長崎は度々訪れる地であるが、西九州新幹線の開業に合わせた駅の変貌には度肝を抜かれてきた。

 終着駅の風情ある駅から様変わりしたが、地元タクシードライバーは「長崎市民長年の悲願だった」と話していた。先般、ハウステンボスが旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)から香港の投資会社へ売却されることもニュースになったが、何かと観光関連の話題が多い長崎。「いま長崎が熱い!」と全国のテレビ番組でも長崎を取り上げる機会が増えてきた。

いまも大規模な開発が進む長崎駅前

 目下、大工事中の長崎駅東口であるが、JR九州では新しい長崎駅ビルについて、外資系高級ホテルである「マリオット・ホテル」をはじめ各種商業施設などを備えたビルとする計画を発表している。

 長崎駅とホテルといえば、2021年11月、西口に「ヒルトン長崎」が開業している。ホテルから駅西口までは直結した歩行者専用通路で向かうことができ、ヒルトン長崎と同じく開業したMICE 施設「出島メッセ長崎」にも隣接している。

ヒルトン長崎

 ヒルトン長崎は様々な料飲施設も有するシティホテルである。地元のホテル関係者を取材すると、長崎が本拠の石油輸送事業を中核とする企業グループの運営で、すでにご当地で外資系ホテル運営を手がけているという。外資系ホテルの場合、オーナー企業とは別に運営も外資ブランドが手がけることがあるが、この企業は長崎でのこれまでの経験やノウハウがヒルトン長崎を手がける端緒になったのだろう。