銅像建立プランが明らかになった森喜朗元首相(写真:ZUMA Press/アフロ)

 利権と金まみれの“汚れた東京五輪”は一体どこまで捜査の手が及ぶのか。

 東京五輪・パラリンピックのスポンサー契約を巡る一連の汚職事件で、東京地検特捜部が元首相で東京五輪大会組織委員会会長を務めた森喜朗氏から参考人として任意で事情聴取を複数回にわたって行ったことが明らかになり、大きな波紋を呼んでいる。

首相経験者の参考人聴取は異例

 受託収賄で再逮捕された大会組織委元理事・高橋治之容疑者の受託収賄容疑を立証するため、特捜部は元理事の理事就任に至るまでの経緯やスポンサー選定でどのような職務権限を与えていたのかなど詳細について森氏に確認したものとみられている。参考人とはいえ、首相経験者の聴取は異例という。

 森氏については東京五輪・パラリンピックのスポンサー契約を巡る一部メディアの報道の中で、いくつかの“疑惑”も取り沙汰されている。逮捕者続出で日本中を揺るがす東京五輪汚職にまつわる参考人となり、聴取を受けただけでも森氏のダメージは計り知れない。ただでさえ、森氏には世界中から集中砲火を浴びた女性蔑視発言によって大会組織委の会長を辞任した経緯がある。