ミャンマーでは、昨年2月1日のクーデターで民主政府から実権を奪った軍政と、「反軍政」を掲げる武装市民や少数民族武装勢力などとの激しい戦闘が今も続いており、実質的な「内戦」状態にある。
「国民の90%が仏教徒」というミャンマーでは、人々が仏教僧侶へ寄せる信頼は厚い。だが、独立系メディア「イラワジ」などが明らかにしたところによれば、軍政はクーデター以後少なくとも52人の仏教僧侶を殺害し、各地の仏教寺院を襲撃、略奪、破壊を繰り返しているという。このニュースにミャンマー国民は衝撃を受けている。
武装市民が僧侶に変装?
軍政のゾー・ミン・トゥン国軍報道官は今年4月、こう述べている。
「僧侶を逮捕などしていないが、僧侶に変装した武装市民には法的措置として逮捕している」
これまでに殺害、逮捕、拷問したのは「僧侶を装った反軍政のテロ組織メンバー」だとして、その行為を正当化しているのだ。