7月26日には、タイのバンコクにあるミャンマー大使館前で、ミャンマーの軍政が民主活動家4人の死刑執行をしたことへの抗議デモが行われていた(写真:AP/アフロ)

 解放はいつになるのだろうか。

 8月12日、TBSが報じたところによれば、7月30日にミャンマー民主派市民の反軍政デモを取材中に警察によって逮捕された日本人の映像ジャーナリスト久保田徹さん(26)について、政治犯などが収容されるインセイン刑務所に身柄を移されていたが、この日、刑務所内の裁判所で初めての審理が行われたという。

 久保田さんは、刑法505条違反(扇動罪)と入国管理法違反の容疑で訴追されている。

 軍政下のミャンマーで、これまで治安当局により逮捕された外国人ジャーナリストらの事例を見ると、その後は判決を受けることなく釈放され、ミャンマーから強制退去処分を受ける可能性が高い。ただ、中には長期間拘束された外国人ジャーナリストもおり、久保田さんがいつごろ解放されるのかについてはまだ不透明な状況にある。刑務所内での処遇も明らかになっていない。

 在ヤンゴンの日本大使館はあらゆるパイプを通じて警察当局などに久保田さんの早期釈放を要求しているが、訴追されたことでその早期実現は難しくなっている。

観光ビザで入国、悪法刑法505条

 これまでの報道などによると、久保田さんは7月14日にミャンマーに入国しているが、観光ビザでの入国だったという。

 ミャンマーでは観光ビザでのデモ取材や写真撮影などジャーナリストとしての活動は「資格外活動」とされ、それが「入管法違反」とされたようだ。また一緒に逮捕されたミャンマー人2人は、その違法活動を幇助した容疑が持たれている可能性が高いという。

 久保田さんが違反したとされる刑法505条は悪名高い法律で、2021年2月1日のクーデター以降、反軍政を唱える民主派の市民や活動家、取材活動中の報道陣の逮捕に適用されている。