昭和、平成、令和と、日本人の働き方は大きく変化してきた。令和の時代にふさわしい働き方とは? ライフキャリア論、キャリア形成論の専門家、田中研之輔氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)が「プロティアン・キャリア」の考え方を解説する。(JBpress)

(*)本稿は『キャリアの悩みを解決する13のシンプルな方法 キャリア・ワークアウト』(田中 研之輔著、日経BP社)の一部を抜粋・再編集したものです。

「プロティアン・キャリア」が主流に

 今、時代は大きく変化しています。

 終身雇用や年功序列制度の崩壊など、これまで続いてきた「安定した企業に入社すれば一生安泰」という「一本道キャリア」が可能だった時代は、すでに終わりを告げました。

 新型コロナウイルスの流行なども含め、予想もしなかった社会変化の中で生き残っていくためには、「変化に適応する力」が必要です。人生100年時代といわれる今、その力はなおさら必要になってきました。

 そんな時代に主流となるキャリア形成の考え方が「プロティアン・キャリア」です。

 プロティアン・キャリアとは、自分の軸を持ちながら、環境や社会の変化にも適応し、自分らしいキャリアを形成していくこと。組織に自らを預け組織の中だけでキャリアを捉える「伝統的キャリア」に対して、「個人」と「組織」の関係性をよりよいものにしながら、自分の意志で主体的にキャリアを築いていく考え方です。