(加藤勇樹:香港企業Find Asia 企業コンサルタント)
中国では、国を挙げてイノベーションやスタートアップといった「ニューエコノミー(新経済)」に力を入れています。ところが、それらに対する投資が2022年になって急減していることが明らかになりました。
ニューエコノミーの調査や統計を発表している「itjuzi」(IT桔子、https://www.itjuzi.com/)が最近発表した報告書「2022年Q2中国新经济创业投资数据分析报告」に基づいて作成したグラフが次のものです。
投資金額は2022年になってから急減しています。投資案件ベースでみても、2021年Q2と比べ2022年Q2は3割近く減少しています。
とくに顕著なのが米ドルベースでの減少ですが、人民元ベースでも減っています。これが上海都市封鎖などの影響による一時的なものなのか、今後も継続するのかは見通せませんが、今後の動向を十分に注意しておく必要があるでしょう。
日本企業と中国起業家とを橋渡し
このようなリスクがあるものの、中国の持つイノベーション力に期待し、協業や共創を模索する日本企業も数多くあります。以下ではその一つの事例をご紹介します。
中国の起業家とベンチャー企業のアイデア力を用いて、中国国内外の大企業の新規事業支援を行う「Startup Salad」(スタートアップサラダ、创业沙拉、https://salad.co/」は、現在も活発にイノベーションエコシステムの拡大を進めている企業です。
同社は2022年7月、富士フイルムの中国における新規事業開発支援として、中国の起業家やベンチャー企業を集めたオープンイノベーションイベント(https://salad.co/event/detail/515)を開催しました。日本企業とのイノベーション共創について、Startup Salad代表のJim(赵龙)氏にお話をうかがいました。