安倍元首相の訃報を受け、日本大使館を弔問した尹錫悦大統領(提供:South Korea Presidential Office/AP/アフロ)

 参議院選挙が終わった。自民党の圧勝だ。

 韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が誕生してからというもの、毎日のように「日本の参議院選挙さえ終われば日韓関係が進展するだろう」と言われてきた。参議院選挙は終了したが、果たして韓国側が想定していた通りに事が進むだろうか。

 まずは韓国メディアが尹政権誕生から現在まで、日本の参議院選挙について言及した膨大な記事の中から、いくつかご紹介しておこう。

◎「自由な日本旅行は可能?日本の入国政策を確認してみたら(NEWSTOF/2022.05.24)」

 韓国だけ優先的にノービザになるのは難しい。その上、韓日関係が国内政治に影響を及ぼすという日本国内の“認識”が定着している。韓国は早い段階からノービザの対象になる可能性は高いが、現時点では政治的理由によって、7月の参議院選挙後になるのではないだろうか。

◎「日 新聞、“朴振訪日後、韓日首脳会談を調整…米 要求のため”(韓国日報/2022.05.26)」

 2015年の時と同様に、今回も歴史問題の解決を含む両国関係の改善は、韓日政府双方にとって政治的に大きな負担だ。尹政府は、韓国政府が賠償金を日本企業に代わって負担する案を検討しているが、原告支援団体及び野党からの反発が予想されるために、日本側の謝罪などを要求する可能性がある。ただ、具体的な案がまとめられるのは、韓国の地方選挙と日本の参議院選挙が終わった後になるだろうと日本の読売新聞が予測した。

◎「尹大統領、“韓 首脳初”NATO首脳会談に出席…韓日会談に注目(連合ニュース/2022.06.10)」

 日本政府報道官の松野祐和官房長官は、6月10日午前の定例記者会見で、「(日韓会談開催について)何も決まっていない」と明らかにした。日本側が来月10日の参議院選挙を控えているため、政治的に敏感な歴史問題が取り上げられざるを得ない首脳会談の席に座ることは負担だ。

◎「韓国のせいで韓日首脳会談をしないという日本…本音は選挙のせいか(ソウル新聞/2022.06.15)」

 一部では、岸田首相が韓日首脳間の対話に必要性を感じていても、政治的問題のため応じにくいという分析がある。日本で来月10日に参議院選挙があるが、自民党支持勢力が韓国に友好的ではなく、選挙を控えている最中に韓日首脳会談を開く雰囲気ではない。日本政府関係者は時事通信に「参院選前の韓日首脳会談はリスクが大きい」と話した。

◎「大統領室“韓日首脳、トップダウン式に関係改善を期待”(朝鮮日報/2022.07.01)」

 大統領室関係者は「韓日首脳同士は問題を解決する準備ができた」「ボトムアップではなく、トップダウンの雰囲気だ」と、両国関係の正常化に対する期待感を述べた。同関係者は「国内の政治的負担に悩んでいた日本の首相が韓国の大統領に会ったところ、韓国側はオープンで、7月10日の参議院選挙が終わればいくらでも会って実務協議をする姿勢があるということを尹政権は悟ったようだ」と述べた。