中国人宇宙飛行士3人を乗せて中国内モンゴル自治区の草原に帰還したカプセル(2022年4月16日、写真:新華社/アフロ)

(馬 克我:日本在住中国人ライター)

 2022年4月16日、上海人がロックダウンでお腹を空かせているまさにその時、中国の宇宙飛行士3人が半年にわたる宇宙空間での任務を遂行し、地球に帰還した。

 これまで同様、中国メディアは、ここぞとばかりに共産党統治国家の成功だと高らかに宣伝した。また、多くの日本在住中国人も、宇宙船と宇宙飛行士の写真に愛国主義の言葉を添えてSNSにアップした。これは決して特別な現象ではなく、毎回、宇宙船のニュースが出るたび、一部の海外在住中国人は激しく感動し興奮するのだ。

 私は以前、日本の大手企業で働く中国人の、次のようなSNSの投稿を見たことがある。

「日本人の同僚と言い合いになった。中国のスペーステクノロジーは明らかに日本より優れているというのに、日本人は中国がすごいということを認めたくないのだ。私たちはまさしく日本に勝ったのだ!」

 もし、習近平がこの投稿を見ることができれば、間違いなく満足するだろう。

 スペーステクノロジー(宇宙技術)は、常に中国共産党にとって最も重要な宣伝資源であり、中国共産党が統治を維持する一つの支えになっていると言っても良いだろう。