(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)
上海市がロックダウンに入る前のことです。待ち合わせをした友人が来るまでの間、市内のとある書店をうろついていたところ、気になる表紙の本が目に入りました。タイトルは『如果歷史是一群喵』(作者:肥志)。あえて日本語に訳すとしたら「もしも歴史が猫まみれだったら」(略して「もし猫」)という、歴史漫画でした。
この漫画は、中国史の登場人物を猫のキャラクターで描きながら、歴史の流れや事件を解説しています。神話の時代からスタートして、現在も時代を追いかける形で新作が発行され続けています。
形式としては前述の通り、日本でもおなじみの歴史漫画の形を取っています。とっつきづらそうな歴史の話を、かわいらしい猫のキャラクターを登場させてユーモアたっぷりに解説しています。歴史も猫も大好きな筆者からすれば、これ以上ない組み合わせです。
実際に中国国内の人気も高いものがあります。筆者の同僚である中国人OLもこの作品を知っていました。その同僚は歴史には疎く、興味もほとんどないそうですが、キャラクターの可愛さからこの作品を手に取り、ファンになったと話していました。