(加藤勇樹:香港企業Find Asia 企業コンサルタント)
中国では、デジタル通貨である「デジタル人民元」(e-CNY、数字人民币)の普及が本格的に始まっています。
デジタル人民元は、2020年に実証実験が始まりました。同年10月には、限られた範囲内で行われていたデジタル人民元の導入実験が、一般市民に拡大されました。一般市民に抽選で、1人あたり200元(約3000円)のデジタル人民元が配布されたのです。
このときのことは、2020年12月に以下の記事でお伝えしました。
デジタル人民元、いよいよ一般市民に配布開始
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63399
そして2022年4月現在、デジタル人民元は抽選制や許可制ではなく、アプリは誰でもダウンロードできるようになっています。
アプリはすでに2.6億ダウンロード
2022年3月、中国メディア「新京報(BJNEWS)」傘下のシンクタンク新京智库は、「2022数字人民币与互联网融合发展研究报告」(2022年のデジタル人民元とインターネットの融合発展研究報告、https://mp.weixin.qq.com/s/Vgop_Ftt6a--3pG7DfbEoA)というレポートを発表しました。
それによると、デジタル人民元のウォレット(財布)アプリはすでに2.6億件がダウンロードされています。デジタル人民元を使用できる小売店や役所などは800万カ所以上になり、累計取引金額は870億元に達しました。アプリ利用者が2億人だとすると、一人当たり400元(約8000円)なので、まだ利用金額はそれほど多いわけではありません。