藤田 彼らに、ウェルビーイングとは何かと尋ねると、“太陽の下で、友人と言葉を交わすこと”だと答えるんです。こういったシンプルなことに幸せを見出せる感覚こそ、ウェルビーイングに必要な感性かもしれません。
コロナ禍で見えてきた、次の時代に必要な価値
藤田 新型コロナウィルスの影響はどうでしょうか? GREEN SPRINGSの開業は2020年の4月。世界的パンデミックが広がり、日本でも緊急事態宣言が発令された直後でした。
工藤 パンデミックは、ウェルビーイングの理解を推し進める機会になったと思います。もし、パンデミックがなかったら、この先進的なコンセプトは理解されるまで時間を要したかもしれません。世の中が混乱をきたす中、ウェルビーイングこそが人が本質的に求めるものだと気づかされたのではないかと思うんです。
藤田 コロナ禍で人の感性が研ぎ澄まされてきたということでしょうか。今後も人々の意識の中でウェルビーイングの理解が深まっていきそうですね。今日はありがとうございました!
対談を終えて(藤田)
GREEN SPRINGSは、立飛の歴史や経営基盤、取得した土地の特性やプロジェクトメンバーの視点、そしてコロナ禍という時代背景など、複数の要素が複雑に絡まり合って出来上がった街です。一般的な商業施設とは、そもそもの出発点から一線を画すものであり、条件がそろったからこそ実現できたプロジェクトだと思われるかもしれません。しかし、着目すべきは、プロジェクトに関わる方々が、人の根源的な欲求を追求したことではないでしょうか。
GREEN SPRINGSが定義するウェルビーイングとは、必ずしも経済成長を必要とせず、人とのつながりから生まれる幸せの場であると言い換えられるかもしれません。それは同時に、新たな時代が求める価値ともいえるのではないでしょうか? GREEN SPRINGSは、現代人が求める幸福を提供してくれるはずです。
◎連載「日本社会を変えるウェルビーイングの大潮流」の記事一覧はこちら