身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する「ウェルビーイング」。このキーワードが生み出す大きな潮流は、日本人のライフスタイルをどのように変えるのか? また、それに応じてどんな新しい産業や市場が生まれるのか? 消費者目線で社会トレンドをウォッチし続けてきた統合型マーケティング企業「インテグレート」CEOの藤田康人氏が考察していく。(JBpress)

ペットを飼う人が増えている

 ペットの価格が高騰しています。たとえばトイプードル。ちょっと可愛い顔の子犬は100万円を超えることも少なくなく、時には300万円以上という値段もつくそうです。知り合いのペットショップ店員に聞いてみたところ、この10年間でペットの価格は倍以上になったとのこと。それだけペットの人気が高まっているのです。特に昨年(2020年)4月の緊急事態宣言以降、ペットを飼う人が増えているそうです。

 一般社団法人「ペットフード協会」が公表した2020年全国犬猫飼育実態調査によると、昨年新たに飼育された犬は前年比14%増の推計46万2000匹、猫は同16%増の推計48万3000匹と、伸び率、飼育数ともに過去5年で最も高かったとのことです。

 前出のペットショップ店員は、「コロナ下の生活で不安やストレスがたまり、ペットに癒しを求める人が増えたのではないか」と語っていました。また、昨年支給された10万円の特別定額給付金が後押しになったという調査結果も出ています。