東京都立川市の開発街区「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」

「ウェルビーイング」(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)というキーワードが生み出す大きな潮流は、日本人のライフスタイルをどのように変えるのか? また、どんな新しい産業や市場を生み出すのか? 消費者目線で社会トレンドをウォッチし続けてきた統合型マーケティング企業「インテグレート」CEOの藤田康人氏が考察する本連載。ウェルビーイングに取り組む実践者たちとの対談を通じて新しいビジネスの形を探っていくシリーズの2回目は、東京都立川市の開発街区「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」を手掛ける立飛(たちひ)ストラテジーラボにフォーカスする。GREEN SPRINGSのキャッチフレーズは「空と大地と人がつながる“ウェルビーイングタウン”」。対談の後編では、「ウェルビーイングをテーマとした都市のその後」について、GREEN SPRINGSの運営を担うマネージングディレクターの工藤寿哉氏に話を聞いた。(JBpress)

◎前編はこちら

イメージはフランスの「ターブル・ドット」

藤田康人氏(以下、敬称略) JR立川駅から徒歩8分。3万9000平方メートルにおよぶ開発街区「GREEN SPRINGS」は、コアコンセプトをウェルビーングに据えた国内でも指折りのエリアです。2020年の開業から2年が経ちましたが、周囲の反応はいかがでしょうか?

工藤寿哉氏(以下、敬称略) さまざまな声が聞かれます。初めていらっしゃった方の中には、「立川じゃないみたい!」とおっしゃった人も。逆に以前から立川にお住まいだった方は、「いよいよ立川もここまできたか」といった感想をおっしゃることが多い。成熟した街に近づいたという感じがあるのかもしれません。最近は、お知り合いを連れてくる方や、誰かを案内している方が多く見られるようになりました。様子を拝見していると、「すごいでしょう!」と自慢気にお話されていることも。時間の経過とともに、地域全体に影響を与える存在となりつつあるのかもしれません。

藤田 “人と人のつながり”といった、ソフトの部分についてはいかがですか?

工藤 “人とつながる”は、GREEN SPRINGSの運営企画にあたって最も重きを置いた部分です。当初は、ウェルビーイングという言葉をどうオペレーションに落とし込むべきか非常に悩みました。考えた結果、“人との交流”が幸福を感じさせる大きな因子ではないかと。住みたい街になるためにも必要な条件であるという結論に至ったんです。

 たとえば、都心のビルのエレベーターで、フロアの異なる別会社の方々と乗り合わせたとしても挨拶はしないことが多いですよね。一方で、同じマンションに住んでいる住人の方には挨拶をするという人は多いでしょう。GREEN SPRINGSでは、別のオフィスの方同士で挨拶が生まれる空間にしたいんです。