韓国・ソウルで韓服を着て歩く女性たち(資料写真、2018年8月15日、写真:Lee Jae-Won/アフロ)

(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)

 韓国は中国に対して常に神経を尖らせている。そのぶん反応も素早く、日本などその点では及びもつかない。

 などと切り出したのは、ほかでもない。日本でも報じられているように、韓国では北京オリンピックの開催を受けて反中意識が驚くほど高まっているからだ。

 少し前まで日本では、韓国は親中だという報道が多かった。私も何年か前にそのことについてコメントを求められたことがある。実際には韓国人に「韓国は親中と言われていますよね」と話すと、「そんな馬鹿な!」と失笑される。それは無理もない。韓国という国にはかなりの数のクリスチャンがいて、その多くはアメリカ系プロテスタントの流れをくむ教会に所属している。そのため親米の人が多く、全体としてなかなか親中にはならないのだ。

あっと言う間に報じられる中国の失態

 ともかく、昨今の韓国における中国批判は、日本人には見えにくかった韓国人の対中感情をわかりやすく示しているように思える。

 韓国におけるオリンピックがらみの中国批判はいろいろある。ショートトラックスピードスケートでは、韓国選手が失格の判定を受けて中国選手に有利な結果になったのは「習近平の業績づくり」のためだとも揶揄された。