(金 愛:フリージャーナリスト)
判定を巡り様々な議論を巻き起こしている北京冬季五輪。韓国市民の間でも、反中感情が沸き上がっている。若者たちを中心にして反中感情が激しいが、とりわけ30代、40代の中国に対する反感は根が深い。
彼らは、あからさまに、中国が「反則国家」だと認識している。スポーツだけでなく、政治的、社会的、文化的な交流において、韓国と不公正なゲームを繰り広げてきたのが、まさに中国だという認識だ。
このような中でも、韓国左派は、中国を擁護する立場を取っている。文在寅大統領を筆頭に、韓国与党「共に民主党」は伝統的に共産党シンパの左派政権だ。日本に対しては敵対的で、北朝鮮と中国に親和的である。背景には、歴史的に中国を大国として迎え、自らを属国と卑下する民族性がある。
中国人が、韓国の固有衣装である韓服を中国の衣装だと言い張ることに対して、「中国に住む朝鮮族が嫌悪を感じる?」になるとし、「共に民主党」所属の国会議員は「野党が、意図的に反中感情を煽っている」「中国を嫌悪するよう仕向けている」と中国を擁護している。
歴史を振り返れば、確かに韓国は長い間、中国の属国であった。2017年4月、中国の習近平国家主席と会見した際に、当時の米トランプ大統領が「韓国は、事実上中国の一部だった」と語り、波紋を呼んだのは記憶に新しい。それゆえ、本質的にその影響から抜け出すことは難しい。
東アジアにおける「属国」とは、一般的に「朝貢国」を指した。近代化以前の朝貢や冊封という政治的儀礼を通じて、東アジア周辺国家と民族は中国中心の地域秩序に順応するという意思を表明し、その代価として、中国は、彼らの内政に干渉せずに援助を約束した。
朝鮮半島において、特に朝鮮時代当時は、中国を王朝として迎えなければ、中国との平和共存や自治権を勝ち取ることができなかった。