(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
北京五輪がついに開幕した。東京五輪のわずか半年後の開幕であるから「すぐにやってきた」という印象だ。良くも悪くも、この2大会は比較対象にされるだろう。
東京五輪では、韓国が国民総出で日本批判に乗り出した。「選手村の食事は放射能に汚染されている」「自転車競技で旭日旗を振った観客がいた」「段ボールベッドに寝転んだだけで壊れた」など、連日韓国から報道される日本批判にうんざりしたものだ。
その東京五輪の流れを引き継ぐかのように、北京五輪でも、韓国による日本批判が始まる兆しがあった。
「反日教授」として知られる誠信(ソンシン)女子大学教授の徐坰徳(ソ・ギョンドク)氏は、おなじみとなった「旭日旗=ハーケンクロイツ」の画像を持ち出し、自国民にこう呼びかけた。
「今日(4日)は北京五輪の開幕日です。平昌(ピョンチャン)五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)の公式SNSに旭日旗パターンの帽子を被った日本選手の写真が掲載され問題になりました。東京五輪でも、無観客開催だったにもかかわらず、男子自転車競技中に旭日旗を使用した応援場面が登場して問題になりました」
「このように、最近は五輪が開催されるたびに戦犯旗である旭日旗が登場し、問題になっているため、注視する必要があると判断しました。競技を視聴の際に旭日旗模様が登場すれば、ダイレクトメールで即情報提供をお願いします」
しかし、蓋を開けて見ればどうだろう。
大会4日目(2月8日現在)の段階で、韓国人から挙がった日本批判は、国際オリンピック委員会(IOC)が韓国語版公式SNSに、「羽生結弦選手、ついに2022北京東京五輪初練習」と、韓国選手よりも先に日本選手を紹介したことについての批判くらいである。
確かに、IOCのSNSには「韓国アカウントに日本選手?」「平昌の時と同じことをしている」「羽生が何なんだ。韓国人を載せろ」といった批判コメントが殺到していた。
その後、韓国語版のSNSも韓国国民に配慮したようで、フィギュア男子代表・車俊煥(チャ・ジュンファン)選手の写真や動画を1日のうちに3度も掲載していた。男子ショートプログラム(2月8日)の順位も、金メダル候補の筆頭だった羽生選手は8位、車選手は4位であったから、結果に韓国人の怒りは多少収まったことだろう。世界の羽生選手に、そして日本に、韓国選手が一度勝利を収めたのだ。