2011年に仕事で初めて日本を訪れたエリックさんは秋葉原に直行。「『グレンダイザー』のフィギュアを探し回りました。ようやく見つけたフィギュアはガラスケースに納められていました。店員が白い手袋をはめ、カギをあけ、ほこりを落としながら取り出してくれたときは感無量でした。迷うことなく私は5万円を払ってこれを買いました」。

『UFOロボ グレンダイザー』(右)は「マジンガーシリーズ」の第3作に当たる(大分県豊後高田市の「昭和ロマン蔵」にて筆者撮影)

給水車に『キャプテン翼』のステッカー

 中東では『キャプテン翼』も高い人気を博した。サッカーは言うまでもなく中東で人気のスポーツ。『キャプテン・マージド』(中東での番組名)は世代を問わず多くの人に受け入れられた。

 西浦さんによると、中東で受け入れられた一因は、その“発想”だ。周辺で紛争が続く環境の中で、「ライバルとの切磋琢磨や『ボールは友達』などという、中東の人々にとってはそれまでにない斬新な発想とストーリー性が歓迎された」という。

 イラク戦争後の2004年、イラクのムサンナー県に復興支援の一環として日本政府から給水車が供与されたが、26台の給水車には縦1.5m×横2mの『キャプテン翼』のステッカーが貼られていたそうだ。外務省が「現地の子どもをワクワクさせたい」と思い立ち、キャラクター使用の許可を得て、“走る「キャプテン翼」”を実現させたのだという。