さて、全国に4万床から存在するはずのコロナ病床。でも第6波では2月に入っても1000人ちょっとしか重症者はいない「はず」。

 であるなら、コロナ病床満杯に伴う医療逼迫など、起きるわけがないのではないか?

 誰でもそう思うはずです。ところが、実際には医療機関は入院者であふれている。何が起きているのか?

 コロナ病棟は「軽症」「中等症」患者であふれ返っているのです。そしてそこで高率に死者が出ている。このメカニズムを、データに即してご説明いたしましょう。

データが示すオミクロン致死率の異常な高さ

 2種類のグラフを重ねてみます。

 一つは先ほど示した「重症者数」を黄色い線で、もう一つは日本国内でのコロナによる死亡者数を、比較しやすいよう10倍にして青い線で描画してみると、奇妙な事実にすぐに気づきます。

 2020年春の第1波から2021年ゴールデンウイークの第4波まで、重症者のカーブと死者(×10倍)のカーブはほぼ並行しています。つまりこれは、重症者の1割程度が亡くなっていたことを意味します。

 これに対して夏の東京オリンピック第5波では、顕著に青いカーブ、つまり死者が少ない。

 これは「デルタ株」による感染で、インドの医療統計から週刊新潮などに私自身も示した通り「デルタ株の致死率は低」かった。それを示しています。