マカオの夜景(写真:アフロ)

 2022年、謹賀新年!

 連載119回目を迎えた今年第1弾は、「香港の弟」マカオについて述べたい。

 昨年暮れの12月19日、香港で行われた中国政府「お墨付き」の立法会(議会)選挙は、90議席を親中派がほぼ独占して、世界を驚かせた。香港で2047年まで50年続けると中国政府が約束している「一国二制度」は、2022年にも崩壊してしまうのではと、日本を含めた世界が懸念している。

 そんな香港と較べて、ほとんど顧みられていないのが、隣のマカオだ。マカオは、香港がイギリスから返還された2年後の1999年12月に、ポルトガルから中国に返還された。

 実はマカオ特別行政区でも、暮れの12月23日、大きな動きがあった。「カジノ法」(娯楽場幸運博彩経営法律制度)を改正するための意見公告を、マカオ特別行政区政府博彩監察協調局が公布したのだ。計1340件の意見が、マカオの各界から寄せられたという。

マカオのカジノにメス

 周知のように、カジノはマカオ経済を支える一大産業だが、ここに中国政府がメスを入れ、影響力を強めようというのが法改正の目的だ。今後の手続きとしては、3月に北京で開く全国人民代表大会で法改正を決議し、マカオ議会が承認。今年前半に法改正するという見通しだ。中国政府としては、マカオの6大カジノの免許更新の時期である今年6月までに、法改正を行う必要があるのだ。

 いま挙がっている主な改正点は、カジノ免許の期間を短くすることや、カジノ経営に中国政府の資本や人員を入れていくというものだ。免許の期間は、現行の最長20年を、10年に半減するという説が有力だ。だが一部のマカオ市民は、「強権の習近平政権は5年くらいに縮めるのでは」と戦々恐々としている。