沖縄の米海兵隊基地キャンプ・ハンセンで行われたワクチン接種の様子(資料写真、2021年1月20日、提供:Sarah Marshall/U.S. Marines/ZUMA Press/アフロ)

(北村 淳:軍事社会学者)

 日本では新型コロナウイルス・オミクロン変異株により第6波感染拡大が危惧されているが、アメリカでは11月の感謝祭後からオミクロン変異株の流行が始まり、クリスマス休暇という感染拡大を後押しする時期と重なって、再び爆発的感染拡大の様相を呈している。

 これまで2年近くのパンデミックを通して、アメリカ国内では最も効果的に感染拡大を抑え込んできたハワイ州でも、今回は他州同様に感染が急拡大しており、ホノルルでは連日1500人前後の新規感染者が確認されている。

 1500人という人数は、1日に10万人をこす新規感染者を数えているアメリカでは“たいした人数ではない”。だが、およそ95万人が居住している小さな島で連日1500人前後の新規感染者が確認されているというのは、決して少ない数とは言えない。例えばホノルルでの1500人は、人口比率で単純調整して東京都にあてはめるとおよそ2万2000人ということになり、日本ならば“とんでもない人数”ということになる。

オミクロン株国内流入を食い止める水際対策

 日本政府は、オミクロン変異株の国内流入を食い止めるための水際対策を強化して、外国人(特権を与えられた“外国人”を除く。詳しくは後述)の入国を禁止した。