起業、独立、複業など「自分軸」に沿った選択をすることで、より理想にフィットした働き方を手に入れようとした女性たちの連載「INDEPENDENT WOMEN!」。子どもと過ごす時間を作るため、会社を辞めて自分のコスメブランドを立ち上げたブランディングディレクター前島ゆみさんのストーリーの後編。

文=小嶋多恵子 写真=小嶋淑子

 

株式会社「JUMII TOKYO」代表取締役 前島ゆみ
ブランディングディレクター。20代で益若つばさプロデュースブランド「CandyDoll」やモデル愛用率NO.1のカラーコンタクトブランド「AC by AngelColor」のコスメブランドの立ち上げ、ディレクションを担当。出産、育休を経てミランダ・カーやジゼル・ブンチェンなど多くのセレブリティーも愛用するNY発ナチュラルコスメブランド「rms beauty」の日本上陸立ち上げに参画し、人気ブランドへと導く。会社を退職後、フリーランスのブランドディレクター、PRとして活躍。株式会社「JUMII TOKYO」を立ち上げる。小5男子の母。

SNS発信と強気のプレゼンで取り扱い店舗300店を達成!

 会社員を辞めてから3年。前島さんが立ち上げたネイルブランド「JIMII TOKYO」は、時代の追い風を受けてじわじわと取り扱い店舗数を増やしていった。

「軌道に乗ったなと感じたのは取り扱い店舗数が300店舗になった時でしょうか。起業して1年半経った頃です。ここまで成長したきっかけはSNSが大きかったと思います。もともと知名度がないのに宣伝広告費をかけていなくて。お金もなかったですし(笑)。なので、2016年にブランドの立ち上げと同時にインスタグラムで個人アカウントを作り、ひとつの宣伝材料として始めたんです」

 自身のアカウントとブランドのアカウントを開設し、地道にSNS発信を続けた結果、感度の高い女性の間で拡散、「JIMII TOKYO」のフォロワー数は急速に伸びた。さらに、前島さんのチャンスを見逃さない鋭い勘といざという時の押しの強さが運を引き寄せる。

「生活雑貨専門店『ロフト』での取り扱いが決まったことは大きかったですね。通常、こういった大手では個人で立ち上げたブランドを取り扱ってもらうことってすごくハードルが高い。でも“たった2分でいいんで!”と懇願して、幸運にもプレゼンの機会が与えられた時、思いっきり熱弁を振るったんです。そうしたらたまたますごいコスメ好きなバイヤーさんがいて、“じゃあ、試しにやってみましょうか”と、なんと卸しの契約が決まって。今振り返ると強引だったと思いますが(笑)、熱意が伝わったことは素直にすごくうれしかったです」