Photo=Jacob Ammentorp Lund
文=小嶋多恵子 写真=小嶋淑子

 行政のサポートや無料ビジネスツールなど、独立・起業へのハードルはどんどん下がっている昨今。起業(=法人化)に向けてのリスクや起業家に必要な資質とは?女性のキャリアコンサルティングをおこなう〈Waris〉代表取締役・田中美和さんと女性起業家を支援する〈女性社長.net〉代表・横田響子さんに「自分軸」の働き方を聞く、後編。

起業に向いている人の資質とは

――独立や起業への意欲があっても、どうしてもリスクに対して臆病になってしまう面もあると思うのですが……。

横田:起業といっても規模はさまざま。自己資金0円からコツコツ始めるタイプの方もいれば数百万円規模の方もいます。ですが、例えば自己資金10万円で始めた事業であれば、もし廃業になってしまっても10万円の損害です。よく講演で女性起業家についてお話させていただくんですが、そんなにたいそうなものじゃないんだ、と拍子抜けされることも多いんです。

 男性女性問わず会社を起業したり、また廃業したりすることは世の中の新陳代謝ともいうべき自然なことではないでしょうか。私の知る女性起業家のみなさんは、例え失敗してもそれをマイナスと捉えることなく、試行錯誤しながら乗り越えていかれています。むしろ2、3回失敗して3度目で上手くいく、くらいが感覚として丁度いいような気がします。実際、経営者として続けている方々は、失敗した記憶はないんじゃないでしょうか(笑)。失敗しても、その経験を糧にリカバリーすればいいんです。