日本企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)でどのように変われるのか――。
月極駐車場のDXという新しい分野を切り開いてきたハッチ・ワークの大竹啓裕会長が「DXの現場訪問」と題し、今話題となっている「企業経営者」にインタビューする新シリーズ。
今回は、美容業界で初のサブスクリプションビジネス「MEZON(メゾン)」を始めたJocy(ジョシー)(東京・渋谷区)を取り上げます。
店舗側サブスクとして店舗の掲載数と利用者数は日本一。同社の石黒武士(いしぐろ・たけひと)副社長にお話を聞きました。
過当競争とも呼べる美容業界にあって、美容室と顧客を「ヘアケアという新たな美容体験」で結ぶ日本で唯一のプラットフォームを作り運用しています。
美容業界における「DXの本質」について、前編後編の2回に分けてお送りします。
美容業界で話題の「MEZON」とは?
大竹:まず、ご存じない方のために「MEZON」とは、とのようなサービスなのかお聞かせください。
石黒:一言でいうとヘアケア・シャンプー・スタイリングなどに特化した「定額制の美容室通い放題サービス」を提供するプラットフォームです。
一般のお客様は、一定額をお支払いいただくことで、登録されている美容室へ月に何回でも通え、美容室側にも新たな集客につながるなどメリットがあります。
大竹:複数の料金設定があるようですね。
石黒:平日限定の「シャンプー・スタイリング」が1万7600円(税込、以下同じ)。
土日も通えるコースが2万7500円。平日のコースに2回の「ヘアケア」がついて2万7500円、4回つくと3万6300円。
お試しプランとして「平日・1週間だけ通い放題」というシャンプー・スタイリングのコースを3300円でご提供、利用回数を制限したチケットなどもご用意しています。
これを原資として、お客様の利用数に応じてMEZONから美容室にお支払いします。ちなみに、美容室は、初期費用、月額費用とも不要です。