フィリピンのドゥテルテ大統領(右)とレニー・ロブレド副大統領(写真:ロイター/アフロ)

 2022年5月に実施されるフィリピンの大統領選は10月8日に正副大統領の立候補届け出、登録が終了し、事前に予想された主な立候補予定者の顔ぶれが出揃った。今後本格的な選挙戦を前に正副大統領の組み合わせを巡る「合従連衡」などの動きが本格化するものとみられている。

 最大の焦点といわれてきたドゥテルテ大統領の長女でミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長の大統領選への出馬だが、サラ市長自身は「大統領選への出馬は考えていない」としてダバオ市長選への再出馬を決め、届け出を済ませてしまった。

ドゥテルテ大統領の長女でダバオ市長のサラ・ドゥテルテ氏(左)。2018年撮影。右は当時の北イロコス州知事で、マルコス元大統領の長女アイミー・マルコス氏(写真:ロイター/アフロ)

 つまり、各種世論調査で常に次期大統領として人気トップを占めるサラ市長の大統領選への参戦は現時点ではない、ことになる。ただし、10月8日の立候補届け出は個人や政党による届け出の締め切りで、政党を通じた届け出済みの候補者の変更などは最終的に11月15日まで受け付けている。

 このため、党内の混乱から正副大統領の立候補者が対立している最大与党「PDPラバン」をはじめとする各政党が、人気の高いサラ市長を「党公認候補」として出馬させる動きを依然として止めていないのだ。フィリピン政界では「最終的にサラ市長がどうするかは依然としてわからない」との見方が今も根強く、大統領選の構図はまだ固まったとは言えない状況になっている。

予想された顔ぶれはほぼ出揃う

 最大与党「PDPラバン」から10月8日までに届け出を済ませたのは、大統領候補にはプロボクサーで国民的英雄のマニー・パッキャオ上院議員、副大統領候補にはクリストファー・ボン・ゴー上院議員という面々だ。

 ただし、両候補者ともに党の満場一致の指名ではなく、それぞれを支持する派閥による指名でお互いを「党を代表していない」として内紛を続けている。

 このためゴー上院議員とペアを組む大統領候補は未定のままだし、パッキャオ氏は他党であるブハイ党のジョセリート・アティエンザ下院議員を副大統領候補としてペアを組むという複雑な状況となっている。