(舛添 要一:国際政治学者)
10月4日、岸田文雄内閣が発足した。10月4、5日に新聞社や通信社が世論調査を実施したが、発足直後の内閣としては内閣支持率は低い。「ご祝儀相場」などとは無縁である。
支持率が低かった調査結果から順に見てみよう。
甘利氏の幹事長起用、「評価しない」が過半数
朝日新聞では、内閣支持率は45%である。1年前の菅内閣発足時には65%であったから、比べると低さがよく分かる。現在の方法で調査を始めた2001年の小泉内閣以降で、麻生内閣の48%を下回り、最低である。自民党支持層では、内閣支持率は72%であるが、無党派層では28%しかなく不支持率は22%である。
不支持率は20%で、これは高いとは言えないが、35%が支持も不支持も表明していないというのが特徴で、岸田首相が捉えどころがなく、曖昧模糊としたイメージであることを示している。
また、安倍政権や菅政権の路線を「引き継ぐ方がよい」が23%なのに対し、「引き継がない方がよい」が55%である。さらに、「生まれ変わった自民党を国民に示さなければならない」と述べた岸田首相が、「生まれ変わった自民党」を実現できると思う人は24%で、実現できないという人は54%である。
政党支持率では、自民党が37%、立憲民主党が5%、公明党が3%、共産党が3%、日本維新の会が2%などとなっており、こちらは以前とあまり変わらない。衆院選比例区での投票先は、自民党が41%、立憲民主党が13%、公明党が5%、共産党が4%、日本維新の会が6%、国民民主党が2%などであり、自民党政権は安泰のように見える。
次に低いのが毎日新聞の調査で、内閣支持率は49%、不支持率は40%である。閣僚の顔ぶれに期待が「持てる」が21%、「持てない」が51%、甘利明の幹事長起用を「評価する」が22%、「評価しない」が54%である。安倍・麻生の影響力が強まったことは、「マイナスになる」が59%、「プラスになる」は23%である。やはり厳しい評価である。