中国が台湾侵攻をしようとすれば、太平洋などに展開する米軍とも対峙しなければならない(写真はフィリピン海で発着訓練する米海兵隊のオスプレイ、8月17日、米海軍のサイトより)

 前回、「中国による台湾侵攻の可能性を徹底分析(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66565)」(JBpress、8月23日)で、中国軍の台湾への強襲上陸能力(揚陸艦の建造状況)を主に解説した。

 今回は、「中国軍上陸部隊と台湾軍守備部隊とが戦えばどうなるのか」について分析する。

 中国軍が台湾に侵攻する場合は、サイバー攻撃や弾道ミサイル攻撃、さらに、中国の三戦(心理戦・宣伝戦・法律戦)やテロなどあらゆる手段を含む超限戦により、中国が勝利を収めると思われている。

 だが、台湾を占領するには、150~230キロの海峡を越え、上陸作戦を強行して、台湾守備部隊と戦い勝利しなければならない。

 中国軍が幅約200キロある台湾海峡を越えて移動している間は、待ち構える台湾軍に対して、最大の弱点を晒すことになる。

 渡洋作戦は、陸続きの戦闘とは様相が全く異なるものだ。

 そして、圧倒的に有利な戦力を有していなければ、極めて困難な作戦になると予想される。中国が実行すれば、歴史に残る戦いになるだろう。

 そこで、中国軍上陸部隊と台湾軍守備部隊の戦闘の様相はどのようになるのか、上陸と防御の戦闘場面に限定して考察する。