(写真はイメージ/写真AC)

(山田 珠世:上海在住コラムニスト)

 先日、娘が熱を出した。幼稚園から「すぐに迎えに来るように」との電話がかかってきた。熱が39度以上あったうえに、吐いたらしい。朝、幼稚園に行って間もない時間だった。朝起きたとき熱はなかったのに、子どもの発熱とはそういうものだ。

 子どもが熱を出す──。コロナ禍のなかで一番恐れていたことだった。新型コロナウイルスが流行し始めてから1年半以上、3人の子どもがいる我が家で誰も熱を出さなかったのは奇跡に近いことかもしれない。

 自宅近くの診療所の小児科に連れて行ったものの、案の定、発熱患者は診ないと断られた。看護師をしている中国人の友人に聞いてみると、小児専門病院に行くように勧められた。そこで夫が帰宅するのを待ち、夫と一緒に娘を連れて行くことにした。今回は、子供が急病になったときの中国の病院の対応について紹介したい。

子ども1人に付き添い3人

 病院に到着すると、まず入り口でスマホの「健康QRコード」の提示を求められる。コードを提示すると、急患の病棟に行くよう指示された。急患の病棟には発熱患者専用の病棟があるという。