釣りで味わう至福の時間と人の記憶
釣りにのめり込むきっかけとなったビギナーズラックの記憶。長い時間が経っても不思議とその時の情景は鮮明に覚えています。
また陸釣りでは、たまにたくさん釣れてクーラーが賑やかになる日や、遊漁船の沖釣りでも稀に、「入れ食い・クーラー満タン・早あがり」という日に出会います。
そんな日に味わう高揚感は、釣りライフの中でも忘れがたい「至福の一日」です。
それにしても好きなことは、いつまでも鮮明に覚えているものだと思っていましたが、ある時出会った釣りに関する1冊の本で合点がいきます。
今回は少し趣向を変えて、釣り人の記憶と心理や感情のメカニズムを紐解いた著書の一説に注目し、自身が経験したよくある釣りの光景と著書にある釣り人の思考特性を検証してみます。
そしてこれをもとに、「量」や「大きさ」だけにとらわれない「至福の一日」ついて、実釣交えて考察してみます。
釣り人の記憶と心理・感情のメカニズム
釣行日前日、眠らなければ・・・と思うほどに、釣りの情景が浮かんできてなかなか寝付けない。
私もそうでしたが、久々に期待した釣行前日に、このような現象に見舞われる方も多いのではないでしょうか。
この状態を人間の脳の特性と紐づけた『釣りの科学(森秀人著)・昭和56年初版』という面白い著書があります。
そこでは人が釣りにハマる(熱中する)特性、釣行時の心理状態を、人間の神経生理学上の「興奮」と「記憶」の関係から紹介。
そして釣行時の釣り人の脳は、「緊張→陶酔→解放」というプロセスで脳に鮮明に情景を記憶として焼き付いていくとしています。