すべては濃度で決まる:
希釈プロセスに気をつけろ!
さて、突然ですが、あなたの体の中にも、私の体の中にも、いま汚染水で問題になっている「トリチウム」は「何億個」と含まれています。
それらは化学的に分離することができません。水道水の中にも、普通の食べ物の中にも、天然存在比程度の放射性同位元素(アイソトープと言います)が含まれています。
ですから、生まれた瞬間からそれらと共に一生を送る私たちが、取り立ててそれに気づくこともありません。
政府のアニメーションも、こうしたことに言及していますが、どうにも伝え方がマズイものになっていました。
以下、定量的に記すなら、トリチウムのは天然存在比はおおまかに、普通の水素に対して「10の18乗分の1」程度になります。
これは、「100000000000000000個」の普通の水素があると、1個トリチウムが混ざっていることを示します。
いまコップの中に(100ミリリットルだと計算が微妙なので)90グラム(=5モル)の水道水が入っていると、そこには水素分子が約5×6.02×100000000000000000000000個含まれ、水素原子核はその2倍の数、含まれていると考えられます。
私たちは普通にこれを飲んでいるわけですが、その中にも上の「天然存在比」程度のトリチウムは必ず含まれています。
10の23乗のなかで「10の18乗分の1」ですから、差し引き10の5乗、つまり10万個単位のトリチウムが「必ず」含まれているけれど、私たちは生まれてこの方、そんなことを意識もしない。
先ほどのコップ一杯の水なら300万個ほど入っている勘定になります。
体重によりますが、私たちの体の中には、90グラムで300万ですから体重9キロの子供なら3億個程度、女性などで体重54キロなら18億個程度、体重72キロの男性なら24億個程度のトリチウムが存在する。
普通の水素と分けることが不可能な形で一生涯、体の中に持っています。しかし、特段気づくこともない。