「政府は東京電力福島第一原子力発電所敷地内の『処理水』について海洋放出の基本方針を固め、13日にも関係閣僚会議を開いて決定との報道がありました」
これで始まる予定稿を一通り書いたのは2021年4月11日(日曜日)のことでした。
その後これに関連して「愚の骨頂」のような報道が賛成反対双方から続出、呆れて開いた口がふさがりません。
例えば、曲がりなりにもというか「間違って」というべきだと思いますが、しばらくは東京大学から給料を取っていた人間が、学者づらしながら「汚染水」と「処理水」の区別がついてない「プロ市民」的アジテーションをしているのを目にしました。
大変悪質な心情左翼で、こういうケースは存在そのものが有害です。
「汚染水」と「処理水」とは全く違うものです。これについても後ほど整理して記します。しかし、政府サイドも負けず劣らず最低最悪な無様を晒していました。
4月13日(火曜日)の夜に東京新聞が報じた 復興庁の「『トリチウム』がゆるキャラに? 復興庁『親しみやすいように』原発汚染処理水の安全PR」:東京新聞TOKYOWeb(https://www.tokyo-np.co.jp/article/97830)という低劣な代理店式PR。
これがいかにひどいか・・・という原稿を準備したのですが、編集部からこれだけでは読者にプラスにならないと注文がつきましたので、元の原稿を改訂して「政府はこうすればよかった」という内容を平易に解説したいと思います。
「ゆるキャラ」そのものは、完全に科学的には間違った描写のされ方をしています。
(4月15日追記)復興庁は多方面から批判が相次いだため動画(https://www.youtube.com/watch?v=MNcIL2vIPrU)を急遽取り下げたとの報道がありました。
しかし、その理由として挙げられているのが「ゆるキャラ化など、国民をバカにしている」という、これまた最低最悪の無内容な「批判」に対して「事なかれ」的に取り下げたそうです。
空疎と無意味の応酬で、ただただ頭痛です。
この動画の本質的な大問題は、描かれていた3つのポイントすべてが、科学的に間違っていたことにあり、それを詳述したのが校正前の原稿でしたが、動画が取り下げられたためいまは関連の記載は削除してあります。
しかし、いずれも初歩の科学教育が徹底していたら避けられるレベルの「誤り」で、政府の広報ビデオとして致命的な内容です。
ちなみにこの「ゆるキャラ」キャンペーン、あろうことか「復興支援事業の一環」として、広告代理店に総額約3億円で発注されたそうです。完全に無駄な出費で、全額国民に返済されるべきと思うのは私一人でしょうか。
読者からリクエストがありましたら、それらについて一つひとつご説明することもやぶさかではありませんが、ここでは結論のみ。
いまだかつて私が見た政府系のアニメーションやゆるキャラのなかで、最も科学的に初歩的なレベルから誤った内容が機関銃的に連射されており、ただただ残念というのに尽きました。
「まん防」同様、早々に退場してもらいたい「トリチウム」ゆるキャラの誤謬ぶり、言葉もありません。