バイデン氏、ヘイトクライムと断定せず
米韓の外務・国防相同士が約5年ぶりにソウルで一堂に会した2021年3月18日の午前(ソウル時間)。
その数時間前、米南部ジョージア州・アトランタ近郊(現地時間17日午後5時すぎ)の3か所の韓国系マッサージ店に21歳の白人男が乱入、銃を乱射して韓国系女性6人(そのほか非アジア系男女2人)を殺害するという事件が起こった。
現場は血の海。目撃者の証言だと、男は「アジア人野郎どもはみな殺しだ」と叫んでいたという。
ジョー・バイデン大統領は、18日現在、「非常に憂慮している」と述べるにとどめている。
「私は、ここ1、2か月、アジア系米国人に対する暴行事件について言及してきた。この事件について捜査当局が調査中で背後関係についての報告はまだ私の元には入ってきていない」
「米連邦捜査局(FBI)、司法当局からの報告を待っている」
2020年初春、中国・武漢で新型コロナウイルスが最初に確認されて以降、米国の一般市民の間に潜在的にあった反中国感情が燎原の火のように広がった。
アジア系の日本人も韓国人も外見上、中国人と見分けがつかない。反中感情は反アジア系全般に広がった。
ドナルド・トランプ前大統領自らがコロナウイルスを「チャイナウイルス」「カンフルー」と煽り立てたことで反アジア系感情は勢いづいた。
2020年の1年間にアジア系に対する暴行や嫌がらせは3800件に上り、アジア系連邦議員は反アジア的言動を防止することを要求する決議案まで上程した。
(https://www.nytimes.com/2021/03/17/us/hate-crimes-against-asian-americans-community.html)
「アジア系への暴力を即時やめよ」と要求するデモや集会がロサンゼルスはじめ米各地で催されてきた。
日本総領事館やアジア各国の外交公館は、在留自国民に夜間外出の自粛や危険な地域へ行くことを控えるよう注意を喚起してきた。
そうした中で今回の射殺事件が起こったのだ。