グーグル アップル ロゴイメージ(写真:ロイター/アフロ)

 米グーグルは3月16日、アプリ配信サービス「Google Play」で開発者から徴収している手数料を減額すると明らかにした

 2021年7月1日からすべての開発者を対象に、アプリの年間売上高が100万ドル(1億900万円)に達するまで手数料を15%にする。100万ドルに達した後は通常の30%にするという。21年1月から中小開発者の手数料を引き下げた米アップルに追随するものだ。

 ただ、アップルは対象を年間売上高100万ドル以下の開発者に限定しており、グーグルの対応はいくらか開発者に有利だと米ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

人気ゲーム「フォートナイト」開発元が2強を提訴

 同紙によると、グーグルとアップルは過去10年でそれぞれ数十億ドル規模のデジタル帝国を築き上げた。こうした中、「アプリ配信市場の2強である両社が開発者から利益を吸い上げている」と、大小のアプリ開発・運営企業から批判の声が上がっているという。

 アップルは音楽・動画配信や電子書籍、ゲームなどの「デジタルグッズ・サービス」アプリで、開発者やサービス運営企業に自社の決済システムを利用するよう義務付け、それらの課金に対し手数料を徴収している。

 例えば、有料アプリやアプリ内課金の場合、アップルの取り分は販売額の30%、アプリ内のサブスクリプション型サービスは、1年目が同30%で、2年目以降が同15%。アップルは21年1月、「App Store」で得た年間収益が100万ドル以下の企業を対象に手数料を15%に下げた。

 だが、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元である米エピックゲームズは20年8月、自社課金システムの利用を開発者に義務付けている商慣習は独占だとし、アップルとグーグルを提訴した。同時にエピックは、独自決済システムを導入したが、これが規約に違反するとして、2社はフォートナイトに対する配信停止措置を取った。

英競争当局や米議会が2社の「独占」を調査

 一方、英競争・市場庁(CMA)は3月4日、アップルのアプリ配信サービスに対する調査を始めたと明らかにした。アプリ開発者に対する取引条件が不公正で反競争的かどうかを調べるという。