森保一日本代表監督(写真:アフロ)

 さまざまな意味でハレーションを呼び起こしている。日本サッカー協会は3月10日、男子日本代表が韓国代表と25日に横浜・日産スタジアムで国際親善試合を行うことを発表した。直近で両国は2019年12月の東アジア選手権(韓国・釜山)でも対戦(日本が0―1で敗戦)しているが、フルメンバーが招集できる国際Aマッチデーでの日韓戦は2011年8月以来10年ぶりだ。それだけにサッカーファンを中心に大きな注目を集めている。ただ新型コロナウイルスの収束が見えない中、サッカーの国際試合を“強行”することに反発や疑問の声も数多いのが現状だ。

停止中のアスリートトラックの解除についても好感触

 唐突過ぎる感は、どうしても拭えない。現在も1都3県での緊急事態宣言が発令中で政府は新規外国人の入国を原則として認めておらず、特例措置の「アスリート用東京オリパラ準備トラック(通称アスリートトラック)」も停止されたままとなっているからだ。

 ちなみにアスリートトラックとは東京五輪・パラリンピックの関連大会に出場する日本人や外国人選手、コーチ、スタッフら関係者を対象とした特例措置。このガイドラインにおいて対象者には主に出国前の72時間以内の陰性証明や入国時の検査が必要とされ、入国後2週間の行動範囲は会場、練習場所等と宿泊場所の往復に限られると定められている。つまりはコロナ禍で義務付けられている日本への入国後、2週間の隔離が限定的に事実上免除されるというアスリートや関係者への特権である。

 日本サッカー協会は日韓戦の実現にあたり、このアスリートトラックの停止解除と出場選手ら関係者に対しての適用を政府、スポーツ庁に要望している。交渉は順調な模様で近々にもアスリートトラック、もしくはそれに準じたガイドラインの適用が許可される見通しとされている。