米フェイスブックは2月17日、オーストラリア国内のサービスで、報道機関や利用者がニュース記事を共有・閲覧することを禁じる措置を取ると明らかにした。
国内で記事非表示、海外で豪メディアの記事非表示
これにより、豪国内で同国報道機関と海外報道機関の記事が表示されなくなる。また、豪報道機関の記事が世界中で閲覧できなくなる。
豪政府は、IT大手に対し記事使用料の支払いを事実上義務付ける法案の成立を目指している。フェイスブックはこれに反対の立場を取っている。
同社は声明で、「(法案は)我々のプラットフォームと報道機関の関係を根本的に誤解している」と述べている。「我々は、この現実を無視する法に従うか、記事の共有を禁止にするかの厳しい選択に迫られていたが、残念ながら後者を選んだ」と説明した。
同社によると、フェイスブックのニュースフィードで表示される報道機関の記事コンテンツは全体の4%以下であるため、事業への影響は軽微だという。
「報報道機関は自主的に記事をフェイスブックに投稿しており、サブスクリプション(定期購読)サービスの販売につなげている。我々と報道機関の関係は、グーグル検索と報道機関の関係とは異なる」と主張している。
このフェイスブックの措置には批判が高まっているとロイターや米CNBCは報じている。モリソン豪首相は「医療や救急サービスに関する重要な情報を削除するとは傲慢な行為だ」とフェイスブックに書き込んだ。フライデンバーグ豪財務相は「フェイスブックは間違っている。不必要で高圧的な行為で、オーストラリアでの評判を落とすことになる」と批判したという。
対価支払い事実上義務付ける法案
米グーグルやフェイスブックなどのIT大手のサービスを巡っては、報道機関が費用を投じて作ったコンテンツを、対価を払わず検索結果やニュース配信サイト、SNS(交流サイト)などに表示しているとして批判の声が上がっている。IT大手がネットサービスで巨額の広告収入を上げる一方、メディア企業の多くは広告収入の減少に直面していると指摘されている。