ウィスコンシン州ミルウォーキーでの対話集会に参加した米国のバイデン大統領(写真:ロイター/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 米国のバイデン大統領と中国の習近平国家主席は、旧暦の大晦日にあたる除夕の2月11日朝(日本時間)、電話会談を行った。バイデンが大統領就任後、初めて中国首脳と直接言葉を交わした会談であり、米中首脳が直接言葉を交わした会談としては昨年(2020年)3月以来だ。

 トランプ政権から続く米中対立の行方を占う意味でも、国際社会は大きく注目していた。だが、この会談についての報道では、かなり国やメディアによって評価が分かれている。果たして、バイデン vs. 習近平の最初の交鋒(こうほう)はどちらに軍配があがったといえるのだろうか。

2人とも「誤解と誤判断を避けるべき」

 まず中国の国営通信社「新華社」ではどのように報道されているか。

「両国元首は中国丑年の春節のあいさつを交わし、二国関係、重大な国際および地域の問題について意見交換した・・・」

 習近平は、「過去50年、国際関係の中で最も重要な事件は中米関係の回復と発展である」「少なからぬ紆余曲折と困難はあったが、おおむね前向きで多くの成果を得て、両国人民に幸福をもたらし、世界の平和、安定、繁栄を促進した。中米が協力すれば双方が利益を得て、戦えばともに傷つく。協力が双方にとって唯一の正しい選択だ」「中米協力は両国と世界にとって多くの利益をもたらすことができ、中米が対立すれば両国と世界に必ず災難をもたらす」