(北村 淳:軍事社会学者)
2月8日、フランス国防大臣フロランス・パルリはツイッターで、フランス海軍攻撃原潜「エムロード(エメラルド)」が南シナ海を航行(潜航)したことを公表した。
通常、どの国も潜水艦の作戦行動に関しては公表しないことが原則になっているが、中国がそのほぼ全域を主権的海域であると主張している南シナ海に攻撃原潜を送り込んだ事実をフランスが明らかにした真意に憶測が持たれている。
エムロードはフランス海軍が運用している6隻のリュビ級攻撃原潜の1隻で、攻撃原潜としては小型(水中排水量2640トン、全長73.6メートル)である。ちなみに海上自衛隊「そうりゅう型潜水艦」は水中排水量4200トン、全長83メートルと、リュビ級原潜より大型である。
フランス版「FONOP」を実施
パルリ国防相によると、昨年(2020年)9月からマリアンヌ特命作戦に従事中のフランス海軍攻撃原潜エムロードは、海洋支援艦「セーヌ」とともに、これまでインド太平洋の1万5000キロメートルに及ぶパトロールを実施したという。