(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)
菅義偉政権の支持率低下が止まらない。朝日新聞が1月23、24日に行った全国世論調査によると政権の支持率は、昨年(2020年)12月の39%から33%へと6ポイント低下。不支持率は、同時期に35%から45%へと10ポイントも増加している。
理由は、菅首相が新型コロナ対策でまったく指導力を発揮できていないからだ。これまでの対応を「評価しない」が63%に上っている。2度目の緊急事態宣言についてもタイミングが「遅すぎた」が80%にもなっている。菅首相の発信力の無さも支持率低下の大きな要因になっている。
あきれた「仮定のことは考えていません」との回答
菅首相はテレビのインタビューや2度目の緊急事態宣言発令の際の記者会見で、1カ月の期限内に感染拡大が収まらなかった場合は「どうするのか」と問われ、「仮定のことは考えていません」と回答した。得意の回答なのだろう。若干、微笑みながら答えていた。だが政治家失格の回答である。
政治家は将来のこと、先々のことを見通して、過ちなきように手を打っていくというのが最大の仕事である。“その時になったら考える”では、遅いのである。官房長官時代の悪癖が出たのであろう。官房長官時代、こんな回答ばかりしていた。