若手からは腫れモノに触るような扱い

 ところが昨今、さすがに事情が変わってきた。年齢を重ね、今やベテランの領域に入った斎藤は、日本ハムの二軍施設・鎌ケ谷スタジアムの「主」となりつつある。しかしながら熟練の技術を身につけているわけではなく、若手たちにとっても手本になる存在とはなっていない。特に今季はまったく一軍からお呼びがかからない上にファームで危機感を覚えることもなく、のうのうと過ごしている斎藤に対して「明らかに奇異の目が向けられている」という。

「周囲にいる二軍の若手たちも、斎藤とどう接したらいいのか分からず困惑している。言わば、腫れモノに触るような扱いだ。こういう状況になると、自然に斎藤と他の選手の間に距離感が生まれる。今や斎藤は一軍どころか二軍の中でも浮いてしまっている。これこそが、ある意味で一種の“肩叩き”のような流れだろう」(前出のOB)

 要するに「総スカン」と評しても過言ではない状況なのである。これでは、ただ斎藤がファームにズルズル居座っていることが、今後を担うべき若手たちにとっては弊害になってしまう。

 球団内にも、斎藤の「客寄せパンダ」としての神通力は急降下しているとの認識はある。そりゃあ、そうだろう。今年で32歳になりながら延々と一軍でロクに活躍もできていない投手にアイドル的要素を期待するほうがおかしい。さすがに球団内からも「いつまでも昔の“佑ちゃん人気”の幻想を追い求めていたら、それこそ取り返しのつかないことになる」「今季一軍の2年連続Bクラスがほぼ確定的となっている中、またしても本来なら戦力外のはずの斎藤を契約更新したら、球団全体の信用問題にもかかわってくるのではないか」などといった声が、遅ればせながら飛び交っているという。

 一方、この期に及んでも、球団内には有力幹部を中心とした「斎藤擁護派」たちも健在のようだ。こうした一派からは「高校、大学とサクセスストーリーを歩み続けてきている斎藤ならばきっと“何か”をやってくれるはず。このまま終わるわけがない」という何の根拠もない“奇跡の復調”を期待する向きが強い。