心底がっかりさせられた。13日に行われたリーグ・アン(フランス1部リーグ)の第3節、パリ・サンジェルマン(PSG)対マルセイユの試合が大荒れとなり、5人の選手が乱闘を繰り広げてレッドカードで退場。このマッチアップは「ル・クラスィク」と呼ばれ、同リーグ内で屈指のライバルクラブ同士の対決として毎試合のようにヒートアップするとはいえ、余りにも後味が悪い結末となってしまった。
この日の試合は1―0でマルセイユが勝利したものの、そのスコアを忘れてしまうような、くだんの乱闘劇はゲーム終了直前にぼっ発した。
PSGの退場者となったブラジル代表FWのネイマールはマルセイユのDF、アルバロ・ゴンサレスの後頭部を殴ったことで16日に2試合の出場停止処分を通達された。だが、その後、ネイマールはゴンザレスから「猿」と呼ばれたことをSNSで主張。
しかしながら今度はそのネイマールが逆にゴンザレスに同性愛者を差別する言葉で罵っていただけでなく、同じくピッチで対戦していたマルセイユの日本代表DF・酒井宏樹に試合中「クソな中国人」と叫んで罵倒していた疑惑までもが欧州の一部メディアによって発覚した。その報道によれば、マルセイユ側はネイマールが暴言を吐いたとされる映像を確固たる証拠として押さえているという。
すでに本件に関してフランス・プロサッカーリーグ機構(LFP)はPSGからゴンザレスがネイマールに人種差別発言を受けた証拠となる動画を提出され、本格調査に入っているとみられる。マルセイユ側からも映像を入手し、ゴンザレスとネイマールがそれぞれ差別的発言を行ったとLFPに判断されれば、両選手には追加の出場停止処分が下され、来年までプレーできない可能性が出てきた。
スーパースターのあまりに残念な言動
何だがグダグダな展開で不快極まりなく、非常にうんざりさせられた人も多いだろう。
ご存じのようにサッカーは「紳士のスポーツ」であり、FIFA(国際サッカー連盟)が近年新しい宣言として取り入れている「Living Football」にも“フェアプレー精神”は明文化こそされていないものの当然含まれていると解釈しなければいけない。
こうした観点から見ても本来ならばゴンザレス、ネイマールはともに世界の人々から尊敬の眼差しを向けられ、子どもたちの模範となるべき一流プレーヤーのはずだ。そんな彼らが、このような愚行を犯してしまったのだからもはや救いようがない。どっちもどっちであり、人間性を疑う。