10月18日、浦和レッズとのゲームに出場した道渕涼平。「FLASH」がDVを報じたのはこの2日後だった(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 スポーツ界全体を見渡して見ても前代未聞の不祥事と言っていい。プロサッカーJリーグ・J1ベガルタ仙台のMF道渕諒平が交際女性への暴行により、今月20日付で契約解除になった。道渕の愚行も言語道断だが、開いた口が塞がらないのはクラブ側の対応も同じである。当日発売の週刊誌報道によって事の詳細が公になり、大慌てで道渕を処分した格好だからだ。

逮捕・釈放後に処分もなく試合には出場

 発端は今月20日発売の写真週刊誌「FLASH」(光文社)。同誌によれば、道渕は先月7日に傷害罪の容疑で宮城県警に逮捕されていたという。しかしながら道渕は逮捕後となる同20日のFC東京戦に途中出場で15分間ピッチに立っている。さらに言えば、同27日のセレッソ大阪戦以降は今月18日の浦和レッズ戦まで5試合連続で先発メンバーに名を連ねていた。

 道渕が実際に逮捕されていたことも含め「FLASH」の報道についてクラブ側は詳細に認知していなかったと釈明している模様だ。だが、本当かどうかは非常に疑わしい。そう思われても致し方ないだろう。ただ、仮にクラブ側が主張するようにすべてを把握していなかったとしても、それはそれで大問題だ。

 いずれにせよ、ベガルタは公に何の説明もしないまま、自らの経歴にキズをつけた直後の人物を何度もピッチに送り込んでいたことになる。プロリーグの運営に関わるクラブにあるまじき大失態だ。